『ずっとやりたかったことを、やりなさい』と、たこやきと、往生際の悪い自分
こんにちは、らじおです。
正直に言うと、昔からずっと”アーティスト”に憧れがあります。
絵が描ける人とか、文章で世界をつくれる人とか、音楽で空気を変えられる人とか。
そういう人たちを見るたびに、「自分もあっち側の人間になれたらなあ」と、こっそり思ってきました。
でも現実の自分は、平日は普通に働いて、週末は疲れて昼寝している人間です。
それでも、どこかでまだ「自分にも何かできるんじゃないか」と思っている往生際の悪さだけは、ずっと残っています。
そんなときに出会ったのが、『ずっとやりたかったことを、やりなさい』(著 ジュリア・キャメロン サンマーク出版)という本でした。
この本は、自分の中に眠っている創造性を呼び起こすための“ワーク”がたくさん詰まった一冊。
読み始めた当初の自分は、ちょっと浮かれていました。
このワークをやり切ったら、もしかして……
急に「表現者」側に回って、取材とか受けちゃう未来もあるのでは?
……と、心の中で勝手に未来の自分にインタビューしていました。
「そうですね、きっかけは一冊の本でした」
とか言ってる未来の自分、完全に想像してました。
ただ、問題はここからです。
最初はやる気に満ちていたのに、気づけば仕事に追われ、疲れ果てて、「明日からやろう」が「そのうちやろう」になり、本は静かに本棚へ。
それなのに、この本の存在は消えませんでした。
むしろ、読まなくなってからの方が厄介で、ふとした瞬間に「あれ、途中だったよね?」と頭の片隅で存在を主張してくる。
まるで読みかけの本が、静かに怨霊化しているかのようでした。
そんな“読まないのに気になる状態”がしばらく続いたあと、最近ようやく腹をくくりました。
もう一度、最初から読み直そうと。
最初のエクササイズは「モーニング・ページ」。
毎朝、頭に浮かんだことをただ書くだけ。3行くらいでもいい。誰に見せるでもなく、正解もない。
正直、これで人生が劇的に変わるのかはわかりません。
でも、朝に少しだけ言葉を吐き出すと、頭の中のもやがほんの少しだけ晴れる気がするんです。
劇的じゃないけど、静かに効いてる感じ。
ちなみにこの前、朝のページに最初に浮かんだ言葉は、
「たこやき」
でした。
しかも、あつあつ・はふはふのたこ焼きのイメージではなく、
湯気も匂いもソースの照りもない、ただの文字としての「たこやき」。
なんなら、その瞬間の自分はお腹も空いていませんでした。
昨日食べたわけでもないし、特に食べたいわけでもない。
それでも堂々と、ページの一行目に鎮座する「たこやき」。
「なんでお前が今ここに来た?」と問い詰めたくなりました。
最初は「なんだこれ?」と思いましたが、たぶん今はそれでいいんだと思います。
いまは「意味のあることを書く段階」じゃなくて、
「意味がなくてもいいから、とにかく出てきたものを出す段階」。
普段の生活だと、「ちゃんとしたことを書かなきゃ」「意味のあることを言わなきゃ」って、無意識にブレーキをかけてしまいがちです。
でも、このモーニングページは、そのブレーキをゆるめるためのもの。
だから「たこやき」でもOK。
むしろ、たこやきくらい肩の力が抜けているほうが、ちょうどいいのかもしれません。
たぶん今は、“うまく書く練習”じゃなくて、“詰まりを取るリハビリ”なんです。
だからこれは、「一度やめた話」であり、「怨霊になった本ともう一度向き合う話」でもあります。
今度こそ続けられるかはわからないけど、
とりあえず明日の朝も、3行だけ書いてみようと思います。


