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「想像ラジオ」との出会い
「わたしたちの意識は一つの場所で繋がっている」、そんな世界を想像できる本との出会いがわたしにはあります。
いとうせいこうさん著作の「想像ラジオ(河出文庫)」という本です。
ロングセラーとなっている本ですので、ご存知の方も多いと思います。
わたしはこの本が出版された2013年に一度読んだのですが、震災で亡くなった人間の魂が、自分の半生をラジオ番組で話すという設定にちょっと怖さを感じてしまい、作品の奥にある大事な部分を感じきれずにいました。
東日本大震災から10年が過ぎた今、ふとこの作品を思い出し、もう一度読んでみようと手にしたのです。。。
「想像ラジオ」は、震災で亡くなった人々の無念な想いや死に際の光景が、未だ遺体が発見されていない男性“DJアーク”の声として発信され、想像力の高い人にその声が聴こえてきます。
震災で生き残った人々には、依然として死者との間にある複雑な想いが心に残り続けています。
このラジオ番組は生者と死者を一体とし、生き残った人々の想いを受け入れる世界を形成していきます。
以前この本を読んだ時には、震災で生き残った方々の複雑な想いの深さには全く気づけていませんでした。。。
今回はその想いに気づけたと同時に、想いが昇華されないまま、震災が時間の経過とともに忘却されてしまうという脅威についてもはっきりと認識することができたんです。
文体自体は非常にポップで読みやすく、ちょっとオカルトめいた雰囲気をもつ不思議な世界観なのですが、生者と死者の関係について深く考えさせられ、自身の心の奥深くに入り込める良書です。
みんな繋がっている?
死者の想いがラジオ番組となって生者に伝わり、生者と死者の想いが一体となる。
このシチュエーションをとおして、わたしの頭には「集合精神」という言葉が浮かんできました。
「集合精神」とはSFに登場する概念で、複数の個体がひとつの意識を形成している状態のことをいいます。
わたしなりのイメージですと、一人ひとりの頭から意識の光が発せられ、宇宙のある一点にその光が集約されているといった感じ、、(勝手な想像、、、笑)。
もし集合精神という世界が存在するのであれば、意識には生者と死者の区別はなく、全ての意識はある一点で繋がり、生者が死者を想い、死者が生者を想うことは当然でき得ると思ったんです。
さらに、生者同士、例えば目の前にいる人の意識は自分の意識と繋がっているとも考えることができ、人々はどこかで必ずお互いを理解し合えるのではないかと。。。
「想像ラジオ」を読んで、死者の想いに身を寄せながら、精神世界に入り込み宙に浮いているような、そんな感覚を味わったのでありました。
目に見えない世界に想いを寄せ、イマジネーションを膨らませる。
そんな時間って時には必要かもしれませんね。
「想像ラジオ」、まだ読んでいない方はぜひ読んでみていかがでしょうか?
ではでは、みなさんにとって素晴らしい日になるよう心よりお祈りしてます!
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